デザイナーズボイス

ATTACOUNTER / 暖カウンター デザイナーズボイス
京都の匠 長谷川渉先生インタビュー
人気TV番組「大改造!!劇的ビフォーアフター」に匠として数多く出演され、京都を代表する建築設計士の、WHATSこと長谷川ワタル建築研究所の長谷川渉先生。
これまでの長谷川先生の手掛けられた作品の中にも暖カウンターは幾度となくご採用いただきました。
今回はその長谷川先生に、「暖カウンター」ご採用に至る経緯も含め、暖房を中心とした理想的な空調設備についてお話をうかがいました。
(場所ご提供及びご協力先 サロットかわかみ様)
建築設計の中での空調設備として大事にしていることは何ですか?
まず一番には快適さです。
そして、機械が動いているということを受益者に感じさせないことを、見た目も含めて大切にしています。
「そこに機械がある事を感じさせない」
例えば、エアコンなども出来るだけ目立たないように工夫します。そこに機械があることを感じさせず、風や熱がどこからきているのか分からないくらい自然なスタイルがよいと考えています。
効率のよい暖房について、どのように考えられますか?
コストは別として、輻射熱が一番よいと思います。
風があたらないから、直射日光や、日差しが気持ち良いのと似ています。何よりも空間の温度斑も少なく、人の体感する暖まり方も均等でエネルギーのロスが少ないように思います。
「輻射熱の効率」
ランニングコストも少なくて、輻射熱を利用する暖房機器があれば、消費エネルギーも含めてトータルで効率がいいと考えています。
それから、個人的には火が見えるものも好きですよ。体感に加えて視覚効果もあるので、効率を考えなくていいなら暖炉などが置いてあるのはいいと思います。
ご自身の作品の中で「暖カウンター」をご採用頂いた理由は何ですか?
最初はこちらのレストランバー(サロットかわかみ様)でした。飲食店様ということで、乾燥も少なく食材の鮮度への影響が少ないのではと思いました。
そして、カウンター下というお客様に近接しているところに設置するので、輻射熱効果が手軽に得られるのではと思いました。
それに、今回の物件は改装工事でしたので、設備として(負荷など)軽く、扱いやすいのも魅力的でした。
「設備として軽いもの」
例えば、床暖房などでは土間を加工してコンクリートを打ち、フローリングで仕上げます。
エアコン増設では、室外機を置いて配管を取り回す必要があったりして、設備として重くなってしまいます。
「暖カウンター」はパネル化しているので、取付施工の手間が少なく、他の作業や段取りに与える影響も最小限でした。
それに、サロットかわかみ様は土足でしたので、もともと床暖房は検討できませんでした。
「暖カウンター」はランニングコストなどの低負荷も魅力でしたが、設備として軽いというのが一番の理由でした。
ビフォーアフターで手掛けられた陶芸教室。ご採用の経緯を教えてください。
一番には教室内の乾燥を避けられるということです。 陶芸の世界では知られていることかと思いますが、エアコンでの暖房は土の乾燥を招いてしまうので、望ましくありませんでした。 これまでも土間の寒い中、苦労されてきたご経験から、壁などに設置して暖房を活かせる製品が最適と考えました。 |
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施主様にご紹介した際も、「そんな製品があるなら是非」と喜んで頂けたことも採用の理由です。 |
サロットかわかみ様でのご採用の中でのポイントを教えてください。
経緯は先ほどお話したとおりですが、意匠的なところでも結構こだわりました。 店内のレイアウトにあわせて「暖カウンター」自体の設置方法や見栄えにも工夫しました。 「暖カウンター」についている上下のカバーを隠して、カウンター腰板と一体感を持たせられたことがポイントです。 |
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逆に言えば、そうしたオリジナルでの加工や対応が簡単にできることも採用の大きな理由です。 オーナー様に初めて紹介した時も、自然な輻射熱で風がでないことや乾燥しないことに大変関心を持たれていました。それに、他店にはない新しい設備の導入ということで、ご興味やご期待も大きかったと思います。 |
ヨガ教室でもご採用頂きましたが、こちらの経緯も教えてください。
こちらは既存ビル内のワン・フロアー改築だったので、窓際の極端な寒さを解消したいというオーダーがありました。 新しいビルではないため窓ガラスも単板で、結露も心配されました。 広いフロア全体をレッスンで使用されるので、多人数が入った時の窓際に近い方のことを考えて計画し、採用に至りました。 |
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設置対象範囲も広く、本体費用がかかることに懸念はありました。ですが、窓際がどうしても寒いこと、大きな懸念点である結露への対策が必須でしたので、クリアできました。 仮にエアコンを増設するとしたら、ビル上層階に室外機を設置し、そこから配管を取りまわす必要があるのでかなり大がかりな工事になってしまいます。それを、小さい電気容量で駆動するうえ、手軽な工事でも設置できる点は、大変魅力的でした。 |
これからの設備機器、また理想的な暖房とはどうあるべきと思われますか?
既に多方面で言い尽くされているとおり、省エネルギーであることが最も重要だと思います。 消費エネルギーの少ない家や、住まい方が中心になってきていますし、これからもそれは変わらないと思います。 「消費エネルギーの少ないこと」 |
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建築設計において、自然な風の流れや光や熱の受け入れ方は今後も重要なポイントになります。そして、それだけでは賄えない部分を、さりげなく、かつ消費エネルギーも少なくサポートできることが、これからの空調設備や暖房機器に望まれることだと思います。 |
暖カウンターへの今後のアドバイスをいただけますか。
建築計画の中に設備として含むとすると、省エネであること、負担が軽いということ、存在を感じさせないということが大事とお話ししましたね。
「暖カウンター」は空間を温めるという目的で、まさにその要素を満たしていると思います。
そのことをいかにPRできるかということ、そして、うまく建築デザインの中に溶け込ませるとか、逆に、見せることでお店のアクセントとして強調できるなど、その特徴や利便性が話題として広まることが、今後の普及にはかかせないと思います。
今後自分が手掛ける建築においても、機会のたびに施主様に提案しながら積極的に取り入れていきたいですし、暖房設備の中で確固たる位置付けとなるよう応援していきたいと思っています。
長谷川先生、お忙しい中、貴重なお話をありがとうございました。 (終わり)
長谷川 渉氏プロフィール
WHATS 長谷川ワタル建築研究所 代表 研ぎ澄まされた現代的な感性で、古き良き日本建築の格式に、新たな風を吹き込む。 1968年9月 京都生まれ。
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サロットかわかみ お店紹介
三条堺町 リストランテ タントタントの隠れ家的イタリアレンストラン&ワインバー。 |
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